学生の声

【科目名】 展開ゼミ「惑星探査技術を学ぶ」 【対象学部】 全学部
【担当】 福西 浩(教養教育院) 【開講時期】 2セメ金5

理学部 石川遼太郎 (課題学習:ベピコロンボ水星探査機)

 初めは講義を聞くだけの講座だと思っていました。それだけでも十分に面白そうだったため取りましたが、自分で調べていくとわかった時は、正直不安の方が大きかったです。科学技術の最先端に興味はありましたが、自分が調べて分かるものなのか。結論は、「分からないものだらけ」でした。それでも、調べていくうちに興味だけは湧いてきて、分からないなりに色々と調べるようになり、とても楽しかったです。自分で調べて学習することの大切さを、身をもって感じました。しかし、2セメスターの授業の中で一番大変だったのもこの授業でした。分からないことを調べる、その調べ方すら分からない時期は本当に時間が足りなくて厳しかったです。しかし、後半に水星探査機搭載のPWI(プラズマ波動観測器)について調べていると、自分の頭でも理解できる内容であることに気づき、調べることがとても楽しかったです。
 ですが、そこに辿り着くまでは闇雲に調べているだけで、レポートとしてまとめようとしても、上手く入らない内容もありました。せっかく計算したスイングバイも、このレポートに入れる場所を作れませんでした。初めに計画を立ててから調べることの大切さに、最後の最後に気付きました。これまでは、宇宙、特に銀河などのほうに興味があり、惑星は興味が薄い方でした。しかし、この授業を通して惑星にとても興味を持つことができました。先生の講義の部分がやや少なく、得られた知識に偏りがあったりしたのが残念ですが、とても楽しい講座でした。

 

理学部 山崎開平 (課題学習:惑星分光観測衛星ひさき)


 これまで課題学習というのは小中高の過程で幾度となく経験してきたが、今回ほど主体的に資料を探してその内容を咀嚼する作業を重ねたのは初めてであった。専門的な学習というのは、単に資料に目を通せば理解できるというものではなく、ある程度の思考を経ないと自分の知識とすることが出来ない。それだけ遣り甲斐があるということなのだが、音を上げてしまうことも多々あった。結果として、この経験は今後待ち受けるであろうハードルを越えるための、大きな自信になったと感じる。
 また、プレゼンテーションも初めての経験ではなかったが、将来目指す専門分野の内容について、質疑応答を交えながら学んでいくのはとてもエキサイティングで、日々の学習のモチベーションにもなった。プレゼン能力はどのような進路を選ぶにしても必要なスキルであるから、こうした機会が数多くあることが、先を見据えた成長のためには必要だと思う。

 

理学部 戸澤 聖 (課題学習:のぞみ火星探査機)

 今回この講義を受講しようと思った動機は、宇宙に以前から興味があり、宇宙開発にはその国の最先端技術が凝縮されていると思っていたが、その技術やどんなことが行われているかも全く知らないことに気づき、宇宙開発について学びたいと思ったからである。実際に受講してみて、宇宙の観測では自分の想像をはるかに超えることが行われていることがわかった。観測の多くは赤外線や紫外線などを用いて行われていたり、人工衛星の位置を調べるために星を基準としたり、姿勢制御にはホイールを用いた方法もあるなど、初めて知ることばかりであった。
 自分で調べる過程では、火星でローバーが活動していることを初めて知ったときは鳥肌が立った。調べることはとてもおもしろく何時間も調べていた。ただ調べたことをまとめることは難しく苦労した。発表のときは周りの人の調べかたが詳しく、内容も濃く、質問も専門的なもので理解できないときも多々あった。この講義で理解できなかった部分は今後機会があれば調べ、そして今回火星について調べたが、世界の火星探査の動向に注目していきたい。

 

工学部 宮浦拓人(課題学習:あかつき金星探査機)

 本授業「惑星探査技術を学ぶ」について、「展開ゼミ」という形式は今年度が初であるということであるが、第一セメスターで自分が受けた基礎ゼミ「近年の宇宙開発事情を学ぶ」と似た内容であったが、本授業のほうがより発展的な内容であった。個人的に序盤の授業で数回行ったスライドを用いた先生の説明がとても興味深く、ぜひもっと多く取り入れてほしいと感じた。また、個人発表では周りの理解度や発表力、スライド作成能力の高さに驚かされた。授業の内容も含め、あらためて東北大学のレベルの高さに気づかされる授業であった。しかしそのおかげで自分も第2セメスターが始まったころよりは確実に能力は上がったと思えた。この「展開ゼミ」という形式の授業はぜひ今後も続けていくべきであると感じた。

 

工学部 大澤凌太(課題学習:ハッブル宇宙望遠鏡)

 本授業を取ろうと思った大きな理由は、人を惹きつけてやまないが遠すぎて漠然としている宇宙という分野に「惑星探査技術について学ぶ」という視点から触れてみるというコンセプトに、宇宙への取っ掛かりを掴めるような気がしたからでした。今の時代、調べれば専門家でなくてもネットや大衆向けの冊子でさわりを知ることは簡単にできますが、やはり自分の所属する学部の視点から関心の高い分野に一度でも触れることで、それより少しだけ深く宇宙について知ることができ、自分にとってとても大きな意味がありました。
 課題学習としてハッブル宇宙望遠鏡を選択した理由は、自分が宇宙に関心を持つきっかけになった画像の多くがハッブルで撮られたものだったからで、ハッブルについて多くを知りたいと思いました。先生の講義はもちろんですが、自分にとってこの展開ゼミで一番大きかったのは自分が選択した課題について自分で調べて資料にまとめて発表するという授業形式でした。さわりしか知らないことをネットや図書館で探しながら一つのことについて深く追及し、資料にまとめることで自分の中にインプットし、発表を通してアウトプットすることでハッブルについて詳しく知れたことはよかったし、こういった経験は今後の自分にとっても非常に大きなものだったと思います。

 

工学部 石井昭裕(課題学習:カッシーニ土星探査機)

 先生からの講義形式の授業と自分で課題について調べる形式の両方があり、とてもよかったと思う。まず先生からの講義によって宇宙について全然知識のなかった所に大事な知識をインプットしてから自分の疑問をとことん調べていく形式になっていたことにより、より知識を吸収しやすかったと思う。自分で調べてそれを発表するのはとても労力を要して大変なことであったが、自分の知識はとても深まったので良かったと思う。また最終ゼミ&打ち上げ会は親交を深める楽しい食事会になりました。

 

工学部 瀧 則之(課題学習:すばる望遠鏡)

 この授業は、たいへんためになるものでした。自分からでは調べる機会の少ない分野をここまで詳しく知ることができたのは、この授業のおかげです。教授によるスライド授業も、あまり詳しく知ることのできない惑星探査機の製作の裏側や、探査装置の詳細、原理を学ぶことができました。

 

工学部 大出喬也(課題学習:ジュノー木星探査機)

 観測機器に興味のあったことで、今回の課題学習としてジュノー木星探査機を選びました。ほかにも探査機がたくさんあったのになぜジュノーを選んだかというと、自分が全く知らなかった探査機だったからです。調べていくと、情報量の少なさに振り回されました。これもジュノーが中規模かつ最新の計画であり、公式のサイトでもそこまで詳しくは載っていなかったからです。しかし、そんなあまり目立たない計画の素晴らしさに調べていった後で気がついたのです。
 ジュノーは木星について探査する。ただ、それだけのことに何億ドルも何千時間も掛けることに関して疑問を感じました。(探査機に関してはいつも疑問を感じていましたが・・・)しかし、自分で調べていくうちにその大切さに気づいたのです。探査機の行うミッションは、日常生活には必要のない学者たちの理論の実証をすることではなく、探査技術(つまり、自国の最先端技術)の成長、誇示、軍事転用でもなく、この世界というもっとも偉大な謎を解く鍵を見つけに行くということだったのです。少なくとも、自分はそう思います。
 ジュノーは、前述したように太陽系形成当時の環境を知ることを主としています。それは、どうやって太陽系が出来たか、はたまた惑星の形成、生命の誕生について分かるというのです。何億ドルかけても何千時間かけても知りたいですし、とても価値があるものです。私は、きっと今回の調査でなにか偉大な発見があると思います。探査機の調査を進めていくうちに、人類の想像力に関して驚かされました。様々なことを理解するために理論を作り、計測器を作り、論理的実証をする。すべて人間の頭の中で考えられたものであるが一貫性がある。矛盾や理論では説明できないことがまだ多い、しかし世の中の大抵のことは説明できる。まさに探査機は人類最高の英知であると思います。今までの人間の知る努力の結晶であります。私は、今回自分で突き詰めていくことに感謝を覚えました。いずれは、世の中を知って行くために先陣に立つ研究者になっていきたいです。

2014.3.3