学生の声

【科目名】 総合科目「オーロラから探る宇宙環境」 【対象学部】 全学部
【担当】 福西 浩(教養教育院) 【開講時期】 2セメ木5

工学部 宇野 健太朗

 オーロラ研究の発展の歴史やこうして明らかになってきた宇宙環境の話題を追ってきて、研究とは将来的にどの分野に発展する(結びつく)か、そしてどのような考え方が必要になってくるのかは実際に取り組んでみないとわからないことが多いと感じた。当時、地球の大気においてのみ起こっている現象として考えられていたオーロラが、現代の宇宙開発で宇宙空間の天気予報を行う道具として利用されることを誰も予想しなかったと思う。また、オーロラ研究においては、電磁気学や量子力学といった理学分野と観測機や衛星を作るための工学分野が見事に組み合わされて行われており、中心となる研究者は非常に幅広い知識と見識を持っている必要があると感じた。そもそも理学工学と言葉で学問を区切ってしまうこともよくないことなのかも知れない。自らの研究において必要なことは随時学び、多くの視点から事象を見つめることの大切さを実感したところである。
 そして、先生自身の研究プロジェクトや南極基地での活動の話を聞き、同じ目標を掲げる研究チームの一員として、また将来、国際的に活躍していく人間として必要なスキルについても、深く考えるところが大きかった。研究の基本となる基礎学問の勉強はもちろんのこと、例えば英会話能力やプレゼンテーション能力、そして他者とうまく関わることのできるコミュニケーション能力など、今の学生時代にこそ大きく伸ばすことのできる部分を積極的に磨いていこうと強く感じ、今後の学生生活の過ごし方をじっくり考えるきっかけにもなった。
 また、2回行われたディスカッション授業が本当に刺激的で、学年や学部を超え、他の学生の考えを聞くことができたことで講義についての理解も深まったし、自分にはなかった着眼点を見出す機会になったと思う。その中で単純ながら、とても共感させられた他の学生の発言を挙げたい。創造するということは新たなものを生み出すこととしてとらえられることもあるが、もう一つとして、すでに存在する2つのものを今までなかった発想で結びつけることでもあると思うと。僕はその通りだと思った。そして科学がある程度は体系化し、それぞれの形を成している現代において何か新しいものに取り組もう、人類が達したことのない領域を見出そうとするならば、この考え方が強力になってくると思う。そして研究は同じことを一生懸命に続けていても限界がある。途中、どこかで行き詰ってしまったときに、どういった発想を導入するかは、既存のアイディアをどう組み合わせて考えるかということに等しいのではないだろうか。似たようなことが現代の技術に関しても言えると思う。現代の科学技術は応用性に富んでおり、だからこそ何をどの分野に応用するかによってその技術の価値が決まるといっても過言ではないだろう。科学技術は人間の道具であって、その道具は使い方次第で何にでもなる。本講義を通してオーロラ研究が宇宙開発に役立てられていると知り、研究においてその成果がその後どう生きるか、といったことも重要な要素だと感じた。
 僕は将来宇宙開発事業に携わりたいと考えている。本講義を通してオーロラ研究は宇宙環境の探求と同義であることを知り、観測機器やロケットを開発する者として、それらの活躍場所である宇宙環境の謎が解き明かされてきた過程の話は非常に興味深く、新鮮であった。加えて先述したような研究に関わる者として要求されるだろう力を徐々に蓄えながら、将来グローバルに活躍できる人材になりたい。

 

工学部 川谷 康二

 この講義を受けて、私は本当に良かったと感じている。それは、大学生活をどのように過ごすべきかがなんとなくわかったからだ。講義の内容はとても難しく、すべてを理解できたとは言えない。しかし、他の講義に比べればその理解は進んでいる気がする。なぜなら、毎回の授業に対して疑問点を見つけ、それを解決しているからである。ただ単に講義を聞くだけでは何も理解できていない。この講義ではコメントシートがあり、そこに質問を書かなければならなかった。はじめは強制的なもののように感じ、苦し紛れで質問を書いていた。だが、回を重ねるごとにコメントシートは抵抗なく書けるようになっていった。コメントシートは自分の理解度を確認するためのものだと感じるようになっていったからだ。90分の間、その道のプロのお話を聞けるのだから、何か吸収していかなければ勿体ない。この講義のおかげで、講義に対する姿勢を見直すことができた。
 また、ディスカッション授業も大きな影響を与えてくれた。普段生徒同士で意見を交換する機会はないし、別にどうでもいいことだと思っていた。ディスカッションなんてしたくはなかった。しかし、いざやってみると様々な意見を聞くことができて勉強になった。意見を聞くことで、自分の考え方にも変化があったのだ。講義と聞けば、教授から学ぶものだと思っていたのが、生徒からも学ぶことができるのかと驚いてしまった。特に二回目のディスカッションは、テーマが『太陽、惑星空間、オーロラ現象に関する研究の急速な発展状況を学んだが、従来の定説(パラダイム)にとらわれない独創的な研究を進めるには何が大事かを考えてみよう。またそのために学部時代にできることは何かを考えてみよう。』で、とても印象的な最も密度の濃い講義だったと感じている。なぜなら、将来研究の道を進もうと考えていたからだ。創造のために必要なことはたくさん出てきたけれども、その中で重要だと思ったことを、大学生活で継続的に続けていけたらと思う。オーロラと宇宙環境というテーマではあったものの、この講義で学んだことは人生において必要なことであった。最後に、講義を受けていた人数は少なかったけれども、より多くの人にこのような講義を受けてもらって、大学生活を有意義に過ごせる方法を学んでもらえたらと強く思う。

 

工学部 菅谷 圭祐

 私はこの授業のおかげでオーロラや宇宙ではどのような事が起きているかを学ぶ事ができ、大変有意義な 2 セメスターを過ごす事ができました。授業で得られた知識はもちろん他の人がこの分野にどのような考えを持っているかも知る事ができ、改めて自分の考え方を整理する機会となりました。また他の授業 で『地球物質学』という授業も受けていたのですが、その授業との結びつきも 見いだす事ができ宇宙関係への知識が一気に膨らみました。
 私がこの授業を選択したきっかけは、ただ単純にオーロラは美しい、というイメージによるものでしたが、実際に授業をうけてみるとその美しさのメカニズム、いったいなぜオーロラが現れ、なぜこんなにも美しい光を放つのか、という事を知る事ができより一層の興味がわきました。またオーロラから始まり宇宙環境の基本的な構造を学ぶ事ができ、知識と興味の両方が深まりました。またこの分野の研究をされてきた方の熱意も学ぶ事ができました。例えば多くの人工衛星にこの東北大の研究室が関わっている事も知る事ができ、自分も将来そのような研究ができるのかな……、と思いました。また福西先生の南極での実際の経験にも大変興をもちました。通常では人間は根をおろす事のできない場所で冬を越すために、またほとんど人間がいない環境での実験観測を行うためにチームワークが必要というお話は忘れられず、私が研究室配属した時に改めて考えるべき内容だと思いました。それとペンギンが基地の周りにいる写真が素敵でした。
 また、この授業で行われたディスカッション授業は他の授業にはなく、大変素晴らしいものだと思いました。普段の授業ではいかにその問題を解くか、という事が重視され、友人と話す内容もそれにかぎられがちです。しかしこのディスカッションは理解を深めるものではなく、同じ内容に対してどのような視点でみているのか、それは自分とどのように異なるのかなどといった具合で他の授業では得られない貴重な経験となりました。また自分の考え方がどのような方向なのかという事を改めて考える機会になりました。この授業形式はぜひ他の講義でも行われるようになってほしいです。この授業では宇宙分野への知識が広まっただけでなく、大学ではいかに学ぶべきかという別の問題を認識するきっかけとなりました。

 

工学部 原 勇心

 私の出身高校は理数科である。そのカリキュラムの特徴のひとつに「サイエンスリテラシー(SL)」という授業があった。毎週、各分野の最先端で研究をされている大学の教授や、企業の方々が来校され、90 分間の講義をしていただき、また、それに伴う実験・実習をするといった趣旨の内容であった。述べ 40 回以上、加えて毎週土曜日に行われるサタデーサイエンスの講義を拝聴し、一高校生にはもったいないほどの広い視野と多角的な視点を養うことが出来た。その際、多くの講師の方が最後に「もっと時間が欲しい」と言葉を残してお帰りになるのが印象に残っていた。大学の講義ならばまだしも、高校生にとって 90 分の講義は長く、また、数学や英語など一般の授業ならば、90 分あれば 1 章節の区切りの良いところまで到達するものである。たくさんのことを話された講師の方の大半が「足りない」とおっしゃるのはなぜか。きっとテーマのより深く専門的なところまで話したかったのだろう。そう勝手に解釈し、高校を卒業した。
 大学に入学し、若干時間は少ないものの、教養として自分の気になる分野についての講義を聴き始め、2 セメスターでこの講義を選択し、初めて「時間が足りない」という講師の方々の言葉の意味が分かった。一つの事象を説明するために、より専門的になればなるほど 、さまざまな切り口からの説明を必要とするため時間が足りないのだと理解した。一つ一つの説明は高校生でも知識があれば理解できる。だが、それを複合的に用いないと、専門的な事象を満足に説明できないのである。便宜上、分野に分別されている学問が繋がっていることは、ディスカッション授業で出た意見の通りであるが、その繋がりというものは、一つの現象を捉えた私たちの頭の中で行う訳ではなく、その現象自体が繋がっている訳である。例えば、オーロラならばそれが生じる地球のシステムだけでなく、太陽のダイナミクスなどの惑星科学、磁場やプラズマを扱う物理学、励起光を示す光学等々、始まりから終わりまで流れるようにさまざまな学問が組み合わさっている。この全てを説明するには、この15 回の授業ででも足りなかったであろうし、また、90 分の講義で、高校生に教えるとなれば、時間が足りなかったと感想を持つのは当然であろう。
 本講義は他の講義とは大きく異なる。教養を身に着ける傍ら、それらの専門的なつながりを探っていく。こうした講義を教養学部の初めに受けることができたのは、自分にとって大 変よい経験であった。「一つの事象を完璧に説明するためには、さまざまな分野からの解釈 が必要である」ことをしっかりと意識し、これからの勉学に励んでいきたいと決意を改めてした。

 

工学部 鎌田 拓郎

 この授業を受けて大学の講義の広がりというものを実感した。またオーロラの研究の最前線をはっている教授から直接オーロラについて学ぶことができて、新しく知ることが数多く出てきて非常に面白く、有意義な授業であったと感じた。一流の研究者の授業を受ける機会は多くあるものではない。その数少ないチャンスの中でこの授業を受けてオーロラ関係の知識だけではなく、研究の心構えなど良い研究を行うための知識も得ることができた。この授業で得たことを今後の大学生活、研究室に配属されたときに十分に生かしていきたい。
 また、オーロラなどに関する専門的知識だけでなく教養の大切さを学ぶことができた。やはり創造的な研究を進めていく上では専門的な知識だけではなく、幅広い教養に裏づけされた奥深い専門的知識が必要なのだろう。そのことがきっかけでこれから大学で研究を行ううえで理科学的な知識だけではなく文学や歴史などといった今まであまり気に留めていなかった分野に対しても積極的に取り組み、様々なことを吸収し今後に生かすことができれば、と考えることができた。また、この講義で今まで当たり前だと思っていたことが実は違っていたということが多々あった。私は知らず知らずのうちに自分で思い込んでしまった固定概念で自分の考えを押さえつけてしまっていたのだと感じた。固定概念にとらわれていては自分の視野が広がることはなく新たな発見をすることができない。まだ誰も行ったことのないことをする研究において固定概念の中にいては成功することは難しく、固定概念にとらわれず視野を広く持つことは極めて重要なことであると感じた。

 

農学部 湯浅 晶

 地球で観測されるオーロラは、単に美しい自然現象だと思っていた。だが、このオーロラが観測されるまでには、地球だけではなくもっと広い宇宙での自然現象の連鎖の結果であった。講義の中で自分が今までに学んできた物理の定義や公式が使われていて、改めて物理学の重要性にも気づくことができた。なんのために勉強しているのか、そのときにはわからなくても、後々いろいろな分野で関連しているのだということを気づかされた。先生のオーロラに対する熱心な気持ちがとても伝わってきて、オーロラや宇宙環境の魅力に気づくことができた。講義に動画が使われていたため、図や文字だけでは理解しづらかった部分も比較的わかりやすかった。また、実際に自分の目でオーロラを見てみたいという気持ちも強まった。
 また、2 回のディスカッション授業を通して他の人の意見や考え方を知ることができてよかった。非常に熱心で積極的な方が多かったため、私の学習意欲も高まった。将来の自分の研究のためにできることは、インプットの時期である今の学生のうちに、多岐の分野にわたり幅広く学ぶことの重要性や、将来への可能性を感じることができた。また実際の南極昭和基地での生活の映像を見て、中途半端な気持ちでは決してできない厳しい研究である一方、自然現象に対する好奇心により研究意欲のわく、非常にロマンに溢れる分野であると感じた。非常に温度が低く突風が吹く厳しい環境の中で、自分の命をかけてまで解明したいと思う研究者の映像を見て、一種の感動を感じた。好奇心や感動から、物事を懐疑的に見ることで、今まで誰も予想しなかった因果関係や法則などを発見することができる。そしてその発見や既存の知識を元に新しい発明などにも応用できる。自分の考えを幅広くし、今後の発見や創造のためにも上述したように時間のある今の学生のうちに多くのことを学ぶ必要があると強く感じた。講義を受けてから、NASAの国際宇宙ステーションがとらえた宇宙の動画などが見られることがわかったので、個人的に趣味として オーロラを見るのもよいと思った。オーロラを初めとした宇宙環境の多くのこと、また実際の南極での調査実態やそれまでになすべきこと、一番にオーロラの魅力を教えていただいて非常に 有意義な講義であった。

 

文学部 渡部 竣哉

 まず、この授業を受けたことによって、確実に宇宙環境に対する見方が変わっていったと感じている。授業を聞いていくにつれて、宇宙は努力すれば解明していくことが可能なのだということを知り、自分にとって宇宙をより身近に感じることができるようになった。また、オーロラに関しても見方が変わった。オーロラ一つにしても様々な不思議、謎が眠っていること、それを解き明かすことで宇宙環境が明らかになっていくことがわかり、また別な意味で魅力的なものなのだということを実感した。最もうれしく感じたのは、先にも述べたが、我々がいる環境の中における物理法則や、科学的な観点を、宇宙環境やその中で起きる様々な現象に当てはめることができると知ったことである。
 また、南極における先生が実施された探査に感銘を受けた。あれほどまで過酷な環境の中、多くの人が協力してオーロラなどを調査しようとする姿に感動した。わざわざ南極大陸に基地を建設し、その中で長期間滞在しながら、ロケットを打ち上げるまでには、様々な苦労があったに違いないが、それを乗り越えて、今までわからなかったことの解明につなげていることには、ただただ感服するばかりである。
 さらに、この授業では、ディスカッション授業も行われた。普段聞くことができないような人たちの幅広い考え方を聞いて、私自身、非常に刺激を受けた。特に2回目のディスカッション授業が印象に残っている。定説に縛られず、独創的な研究を進めていくにはどうすればよいのかということで、理系の人たちの意見を聞くことができたのは私にとっては大きかったと感じている。まずは幅広い分野の知識を蓄えて自分のものとし、新しい考え方ができるようにしていきたい。宇宙環境は、ずっと昔から人間の関心の的だったことは間違いない。そのような宇宙環境の知識や、宇宙環境を解明していくプロセスを知ることができて、いい経験となった。これで満足せずに、得た知識をできるだけ多く自分のものにしていきたい。この授業をとって良かったと感じている。

 

文学部 津田 千与璃

 この授業を受講した理由は、単にオーロラが綺麗だと思っていて知りたいと思ったからであり、オーロラの発生過程などはよく知らなかった。緑色のオーロラしか知らなかったので、低緯度でオーロラが見られ、しかも色が違うことに驚かされた。そもそもオーロラと太陽が深く関わっていることや、オーロラに磁気が関係していることも初めて知ったため、オーロラが予想外に複雑な発生原理であることを知り、最初の授業から何度も驚かされることが多かった。上にも書いたがオーロラは寒い地域でしか見られないと思っていたので、その誤解が解けてよかったと思う。
 私はオーロラと宇宙環境についてはこの授業で初めて学んだ。小学校から高校までの間に学べる機会がなかったので、知らないことがかなり多かった。大学に入ってから学ぶよりはもっと前から勉強する機会を設けたほうがいいと思った。宇宙環境といえども私たちも宇宙環境に住む存在であり、私たちの生活に大きく関わることであると思うので、学ぶ機会がもっと早ければと感じた。
 やはり一番驚いたのは太陽がプラズマであるということだ。プラズマは日常生活でよく見られる現象ではあるが、プラズマは電気というイメージで、太陽は熱や炎というイメージがあったので、まさかプラズマだとは思わなかった。しかし私のようなイメージを持っている人はかなり多いと思われるので、太陽に関しても早くから学ぶ機会が欲しいと思った。太陽は何億年も前からずっと地球になくてはならないものとして存在しているにもかかわらず、あまり研究が進んでいないのは意外だった。磁気も強い上、太陽フレアや放射線の危険性があるので宇宙飛行士が探索することも難しいし、探査機を飛ばすことも大変であるとは思うが、放射線や磁気の強さへの対策を立てながらいつか人間が探索できるようになれば太陽の謎も分かるようになると思う。太陽は地球と大きく関わってきた星なので、太陽を知ることが地球や宇宙空間全体を知ることにつながると感じている。
 宇宙空間は興味を持っている人が多い割には謎が多く、しかも探索が大変なので謎を解き明かすには時間がかかる。しかし未知の宇宙をもっと深く知るために宇宙空間の知識をつけることは宇宙空間そのものだけでなく太陽やオーロラ、そして私たちが住む地球や私たちの生活を知るきっかけになるのではないかと思う。私たちも宇宙に住む存在であるから、住んでいる環境について明らかになってほしい。
 そうはいってもなかなか宇宙環境について知る機会は少なく、直接赴いて調べることも難しい。そうした中で、オーロラが見られる場所であり隕石が見つかるという南極の探索は、人間がその場に趣いて直に宇宙と地球のつながりを知ることができるいい機会なのではないだろうか。行くのに時間がかかる上、誰でも行けるというわけではないが、宇宙環境を調べるために宇宙環境とつながりがある地球上の場所を探索することは、間接的に宇宙を知るきっかけになると思う。宇宙には謎が多く、実際に行くにしても放射線の危険があるため、今のところは安全に調べる方法はない。衛星も作るのに時間がかかる上、上手くいくかも分からないので、宇宙環境を探ることにはリスクが伴う。しかしそうしたリスクを乗り越えて探索を進めようと挑戦する心は、私たちも見習うべき姿勢であると思うし、宇宙環境の知識をつけることができれば私たちも宇宙の星である地球に住む者として自分たちの生きている環境を知ることができる。
 宇宙環境という未開拓な分野の研究を進めていくには知識が必要であるし、現地に赴いて自分の目で確かめることが大事だが、そのためには自分が開拓するのだという挑戦意欲と、宇宙を研究したいという知的好奇心が不可欠であると思う。偉人が発展させてきた現代でも通用している科学はもともと好奇心から生まれたものであると思うので、まず探求したいという好奇心があって初めて研究は成立していくのだと感じる。コメントペーパーの紹介欄で6つのCという言葉が書いてあり、私はそれを初めて知ったが、好奇心と勇気を持って挑戦すること、そしてそれを集中して継続すること、さらにできると確信を持って取り組むことが大事であるという意味であるが、これは宇宙環境の研究に限らず、仕事や勉強など私たちが生きていく上でも重要な考えであると感じた。
 また、ディスカッションでは、文系理系問わず様々な人の意見を聞くことができ、ひとりひとりの視点から多種多様な考えを知ることができたので、興味深かった。こうしたディスカッションは授業を受けて自分以外の他の人がどんな感想や考えを持っているのかを知ることができ、自分の視野をさらに広げることにもつながるし、自分の考えを他の人に伝えるプレゼンテーション能力も身に付けることができるので、大事な機会だと思った。オーロラと宇宙環境というテーマということもあって理系の人がかなり多かったが、そうした文理区分に関係なくみんながひとりひとりしっかりとした意見を持っていることが分かり、学べることがたくさんあった。
 同じくディスカッションで議論された独創と創造について、実際に現地に行って学ぶことの大切さを新たに知ることができた。実際に宇宙に行くことができればもっと宇宙の詳細を知ることができると思うが、放射線や安全性など様々な問題があるので、宇宙に行って直に研究することは今の段階では難しいだろう。しかし、オーロラを研究するにあたっては実際にアイスランドやアラスカ、南極などに行って直に体験する機会がある。宇宙に行けなくても宇宙で起こる現象を調べることはいくらでもできるので、実際に宇宙に行って探索できるようになるまでは地球の中で宇宙を観測できる場所に実際に赴いてみることが宇宙のことを知る第一歩ではないかと思う。まずそのためにはただ現地で体験するだけではなく、知識をつけてから行くことが大切だ。知識をつけて現地に向かうことで、想像とは違った点や想像(知識)通りだった点を確認することができるし、自分が得てきた知識と現地で得た新たな知識を比較することで、より深い研究を進めることができるのではないかと思う。
 この授業ではオーロラから始まり、太陽や南極、宇宙空間など様々な宇宙の事象について学ぶことができた。私は文系で、宇宙環境について学ぶ機会は全くなかったので、新しい知識を得ることができただけではなく、自分の視野を広げることができたので、この授業を受講してよかったと思った。特に先生が体験した南極の探索の授業が興味深かった。南極は行くのにも時間がかかるのに、せっかく到着しても氷山やブリザードに邪魔されて上手くいかないことが多い。それにもかかわらず毎年探索を諦めず挑戦していることが印象的だった。南極で観測できる事象を見ていると、やはり日本にいては絶対に体験できない経験だと感じる。夕暮れにはピンクの空が見えるというのはオゾン層の破壊が関係していたり、隕石が見つかったり、オーロラが観測できたりするなど、貴重な体験ができるというだけでなく地球に居ながらにして宇宙の事象を知ることができる点は南極の最大の魅力であると思う。地球で宇宙の活動が観測できることを考えると、南極の探索に挑戦し続けている探索隊は南極と宇宙の魅力にとりつかれ知的好奇心が駆り立てられているのだと感じた。私も知的好奇心を駆り立てられ夢中になれるようなことを見つけたいと思った。
 この授業を受講して、オーロラや宇宙環境について新たに知ることが多く、視野を大きく広げることができた。理系的な授業なので複雑な話ではないかと心配していたが、文系の私にも分かりやすく、さらに宇宙に関して興味を持つことができた。それと同時に、ディスカッションで授業に出ている人たちと意見交換をしながら新たに学べることも多かったし、自分の考えを外に発信することで自分の考えを固めながら他の人の考えも参考にすることができ、学問を以外にも大切なことを学べたと思う。

 

理学部 大野 敦

 今回この授業を受けてオーロラと宇宙環境について全然知らないでいたと感じた。なんとなくその分野はわかっていると思っていたが磁場や太陽風などといったもののつながりがあることは全然知らなかった。また、それらが科学的に説明できるというのはわかったが、まだまだ理解できていないことばかりであったのでもっと勉強しなくてはならないと感じた。特に今回の授業で感じたことは磁場というものの存在の不思議さである。目には直接存在を確認できないけれど存在するものというのはどうしても自分なりのしっくりくる理解ができない。しかもその磁場がオーロラや宇宙環境に大きな影響を与えているというのには不思議さしか感じなかった。
 この授業の中でディスカッション形式での授業は他人の考えを聞くことができて面白いと思う。他の授業では大体、先生がしゃべりそれを学生が聞くだけの単調で受動的な授業ばかりであり、ほかの学生の意見や考えを聞くことができない。この形式の授業では今まで自分が持っていた考えが偏っていたりすることに気付けた。もっとこのようなディスカッション形式の授業が増えたらいいと思う。2回目のディスカッション授業で先生のおっしゃった創造のプロセスや研究に対する考えというのは今まで考えたことがないことでありかなり印象的であった。もし自分が研究の道に進むのであれば、このことを常に意識して研究していきたいし、研究以外の道でも活かせる考え方なので大切にしていきたい。

 

理学部 寺尾 佳修

 私は、高校の頃からオーロラには興味がありました。東北大学理学部物理系を選んだのもオーロラなどの地球物理学や天文を学びたいと思ったからである。そういった理由があり、この講義「オーロラから探る宇宙環境」を取った。この講義で習う内容は全く知らないことが多く、難しい内容もたくさんあったがとても面白かった。特に太陽系に関する講義(太陽圏、太陽磁場、惑星磁場など)がとても興味深く感じられ、来年度の学科選択では地球物理を希望しようと思うほどだった。
 この講義では、上記のようにオーロラや宇宙環境について多くの知識を得ることができた。また、ディスカッションもあり他の人の意見(特に文系の人の意見)を聞くいい機会になった。また、講義の最後に書く質問・コメントシートはとてもいいものだと思った。私は今まで他の人が疑問を持つようなところでもそれはそういうものなんだと鵜呑みにすることが多く、他の人に「ここってどういうこと?」と聞かれてはじめて気づくこともあった。そのせいで自分が完全に理解できているところとできていないところの境目が曖昧になっていた。しかし、この講義で質問を書いてみると意外と疑問に思うことが多く、自分が本当に理解している部分がどのくらいなのかを知ることができた。コメントの部分では、そのときに受けた講義から何を感じどう思ったかをあとで確認することができ、レポートを書く際にも役に立った。大学1年もあっという間に終わり、もうすぐ2年ということで学科選択もあり大事な一年になりそうなので、この講義で学んだことを活かして頑張っていこうと思う。

2014.3.3