院 長 挨 拶

教養教育院は、「東北大学アクションプラン(井上プラン2007)」に謳われた「大学教育の根幹となる教養教育の充実」に向けた施策の一つとして、2008年4月1日に設置されました。「本学の学生に対し幅広い教養を身に付けさせるため、高等教育開発推進センターと連携して教養教育の実施及び支援を行い、もって創造力豊かで高い問題解決能力を有する指導的人材の養成に資することを目的」(東北大学教養教育院設置要項・第3条)としております。2014年4月からは、新たに設置した高度教養教育・学生支援機構に再配置され、高等教育の研究と開発を担う一組織に位置づけられました。

本学は、開学以来「研究第一」、「門戸開放」、「実学尊重」を理念とし、教育による学生の才能開花と、研究による知の創出とを両輪として、今日まで世界へ貢献すべく歩んできました。本学の教育では、個性ある才能をグローバルに発揮できる力の養成、つまり幅広い知識と深い思考の源となる教養を身につけ、地球規模の問題解決に向かって挑戦し、世界に躍進するリーダーの育成を目指しています。そのため、他の人とのコミュニケーションを基に、社会や世界を理解し俯瞰する力、問題の所在を明らかにする力、さらに問題解決に不可欠な専門的知識を身につけるための力が必要です。これらの力を磨くのが教養教育なのです。

本学は1993年3月に教養部を廃止し、教養教育を全学教育(全学部生対象の教育の意味)として行ってきました。この間、実施体制の整備とともに、独自のカリキュラムを創出するなど、教養教育に関する多くの改革を実施してきております。2019年度には、主体的に現代的課題に取り組める挑創カレッジが新設されました。そして、2022年度からは、新しい全学教育がスタートしました。学部・分野を超えて初年次学生全員が学ぶ「学問論」、それに続く少人数教育である「学問論演習」に加えて、高年次学生や大学院学生の受講も奨励する現代的リベラルアーツ教育科目も充実しました。

教養教育院の設置は、時代とともに変遷する状況に対応した教養教育に向けた改善と実施をするためのさらなる一歩と位置付けられます。本院には、総長特命教授と教養教育特任教員の先生方が所属しております。総長特命教授は、在職中に教育・研究において優れた業績を挙げ、教育に対して強い情熱を持っている方を名誉教授の中から選抜された先生方です。特任教員は、教養教育への情熱と見識とを有する先生方です。今年(2024年)度本院に所属する先生方は、6名の総長特命教授と1名の教養教育特任教員がおられます。 多くの講義やセミナーを開講しておりますので、どうぞ、先生方の魅力溢れる授業を楽しんでみてください。

教養教育院は、本学に学ぶ皆さんが世界で活躍できる力を持つことができるよう教養教育の課題に果敢に挑戦し続けていきます。

教養教育院長 滝澤 博胤