学生の声

【科目名】 総合科目「植物面白考-巧みな生存戦略と私達の暮し」(火) 【対象学部】 全学部
【担当】 前 忠彦 (教養教育院) 【開講時期】 1セメ:火5

 細かい内容の話は抜きにして、私がこの講義から感じ取ったことは、「我々人間は、こんなにも植物によって支えられている」ということである。その方法は千差万別であるが、食糧、環境、文化といった数々の面で人類の生活と密接に関わりあっているということを実感した。中でも興味深かったのはコメの品種改良の歴史的過程である。(結局食料の話に落ち着いてしまうが)。私は、今自分が食べているようなコメは、昔から、おおよそその品種として存在しているとばかり思っていたが、こんなにも工夫が積み重ねられ、長い年月をかけて現在のコメになっていると分かった時は、目から鱗であった。毎回のミニットペーパーで先生に少なからず1つの質問をぶつけていて先生の回答から学んだことも多かった。植物の性質・様子などについて純粋に興味が沸いてきたのもこの授業のおかげである。

(法学部1年生)

 

 講義が始まったばかりの時、「植物面白考は難しい」といううわさを聞いて、実は若干警戒した。しかし生物全般、特に植物が好きな私にとっては、興味が持てる内容であり、理解できないと思うようなところもなかった。ビデオや基礎ゼミなども通じて植物は面白く役に立つ存在である、という私の考えは、さらに強まった。私は医学部だからといって、人間のことばかり特別視することはないと思っている。植物、その他全ての生物についてもよく理解し、彼らを生活の役に立て、共生していく研究を、医師としての視点からしてみたい。そのときには、今回の授業で学んだ知識や考え方が必ずや私の力となるであろう。

(医学部1年生)

 

 私は「生物」について大きな関心を寄せていたが、この講義を受ける前までは、どちらかというと動物や昆虫に興味があり、植物には大して好奇心が沸くことはあまりなかった。だが、植物がかなり機能的に効率よく光合成を行なうことやどのような環境でも生存できるだけの生命力をその構造に秘めていることを学んだことで、自分の植物を見る目は確実に変わった。今までも、植物に関しては全く無知というわけでなく、ある程度の知識はあったものの、それらの重要性を肌で感じたりすることはなかった。しかし、この講義で獲得した知識のおかげで、植物がたくましい生命力で地球上全ての生物の生活を根底から支えているということが考えさせられ、もっと植物のことを深く知りたいと思えるようになった。

(法学部1年生)

 

 “高校で生物を取っていたし、この講義なら楽そう”と思い、受講し始めた4月に比べ、自分の中の植物というものが、単なる食料となるものから私達の生活を支え、営みを与えてくれるものへと変わりました。講義では教授の優しい語り口に加え、美しい写真や貴重なビデオで常に興味を持ち出席することが出来ました。中でも植物園への遠足?(笑)も間近で貴重な植物を見ることが出来、大変よいものとなりました。あの頃はクマ騒動もあり記憶によく残っています。生物学の中でも動物、また細胞方面に興味があった自分ですが受講やレポートを作成する中で植物の生活やその群生、また構造にも興味を持つきっかけとなりました。また、お貸し戴いた本も大変面白かったです。

(理学部1年生)

 

 自分は高校で生物をちゃんと勉強してこなかったので授業に追いついていけるのか不安でしたが、植物の栄養素獲得戦略、光合成の仕組み、食料としての植物等、丁寧に説明してもらえたので、ある程度の理解は出来たと思います。自分は元々、タネを注文してベランダで植物を育てたりするのが好きではあったのですが、その時の自分にとっての植物は、上手く育てれば果実をもたらしてくれる不思議なものとしか考えていませんでした。授業を通して、これまでに触れてきた植物が、様々な工夫をしながら生きてきていて、人間は植物に大きく依存して存在しているに過ぎないのだと感じました。自分は恐らく医療に関っていく人間なので、直接、植物を研究することはないと思うけど、植物がもたらす恩恵は忘れないようにしたいと思った。

(医学部1年生)

 

 植物の興味深い生態や進化、環境を支える役割などについて、いろいろな事を学びたいと思ってこの講義を受けた。植物の光合成などについては高校で学んだのでいくらかは知っていたが、実際にはとても複雑に様々な反応が関わっていて、その仕組みの高度さに驚いた。植物の花や種子、形態の多様さについては、前から興味があった。その多様性は、他の生物との関係や、厳しい環境の中で生き残るために長い年月をかけて進化した結果で、それぞれの植物が少しずつ異なる戦略で生き残ってきたというのはとても面白いことだと思った。植物については様々なことを学んだが、まだ分からないことがたくさんあるし、知れば知るほど複雑な反応や戦略があって難しいなと感じた。しかし、植物と他の生物との関係や進化についてなどを考えることは面白く、もっと知りたいと思う。

(理学部1年生)

 

 この講義を通して植物の持つ様々な性質、生存戦略、植物の役割を知ることが出来て面白かったです。今までは植物について余り知らなかったこともあり、植物に対しての認識は食物連鎖の下位、光合成を行って栄養を得るものとしてしか考えていませんでした。しかし、授業で色々と植物について知っていくことで植物がいないと他の動物等は存在できない、我々人類にとっても必要な生物であると感じました。空気中の窒素固定、光合成機構の詳しい内容、生存戦略などからは、植物も生きていく上で様々な工夫をしていることを知ることが出来、以前よりもはっきりと植物を生物として認識できるようになりました。

(理学部4年生)

 

 この授業で私は、植物体内で起こる様々な事象のメカニズムを知ることができただけでなく、その植物の存在する意義までも理解することができた。高校で教わるような図解的な植物の解説だけではどうしても演繹的というか、知り得ていることを前提に解き明かすのみで、植物が、“どのように”して、“なぜ”今ある形になっているのかという問いに対して明確に答えられてはいなかったように思える。また、一目で分かるものの奥にますます複雑で戦略的な仕組みが存在することには関心を禁じ得ず、動物の体が様々な機能を持った臓器や神経系を有して現在こうあるのと同じように、植物の中にも動物と同じだけの時間を地球上で歩んできた奥深さが存在すると思った。

(農学部1年生)

 

 今回、この授業を受けて、植物に対する考えが変わった。講義で植物の根についてや、光合成など高校で学んだことをより深く知ることができて、植物がいかにたくましく、そして賢く生き残ってきたかを実感した。以前より植物がより素晴らしいものに思えるようになった。また、今回から行なわれたというビデオもとても素晴らしいものだったと思う。植物がいかにして生き残り、子孫を残すかという戦略を見ることができた。自分の、将来進みたいと思っているミクロよりマクロな視点から生物の生態を研究する進路の糧としていきたいと思った。

(農学部1年生)

 

 この講義を通して感じたことは、植物の世界には農業のように直接関わる部分だけでなく、工学、社会学、文学といった様々な分野に活用できるものがたくさんあるのではということです。物質生産や代謝に関わるところからは、これからの社会に必要な「循環システム」が学べるし、栽培などを通して人々がどのように植物と接してきたかといった歴史がヒトの心を理解するための方法の一つだと思います。自分は農学部なので、これから作物生産の問題を考えていくために、植物を様々な角度から見ていくことを学びました。

(農学部1年生)

2013.9.6