教養教育院紹介
教養教育院の使命と役割
東北大学は、平成20年に教養教育院を発足させました。これは、学部および大学院の教育・研究の経験を積んだシニア教授が改めて全学教育に携わることで、広範かつ高度な教養教育を実施するためのものです。さらに、平成22年度からは全学から選ばれた教養教育に強い情熱と優れた教育能力をもつ数名の教員の兼務が始まり、より一層広い視野から教養教育の充実を図ることになりました。
平成30年4月に就任した大野総長は、「最先端の創造、大変革への挑戦」を目標に掲げ、東北大学が取り組むべき挑戦を「東北大学ビジョン2030」にまとめました。教育面では、「大変革時代の社会を世界的視野で力強く先導するリーダーの育成」が掲げられています。現代の多様で複雑化した諸課題に挑むリーダーには、豊かな教養と深い専門性に基づく確かな判断力が求められます。大学での教養教育には、多様なものの見方に触れ、統合知のあり方を学ぶ機会を提供するという重要な役割があります。それ故、何を、いつ、どう教えるかを常に問い続けていかなければなりません。教養教育院は、様々な創意工夫によって初年次学生の学びへのモチベーションを高める授業を創り出し、さらに、高年次学生や大学院生への教養教育の充実のために先導的な役割を果たします。 |
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教養教育院の構成
教養教育院は総長特命教授と教養教育特任教員から構成されています。両者の任務は以下のとおりです。
総長特命教授 教養教育特任教員 |
教養教育院設立の経緯
平成19年3月の「井上プラン2007」の中で、教育面については、①大学教育の根幹となる教養教育の充実、②知を創造できる専門教育・大学院教育の充実、③新たな教育システムの開発、④学生支援体制の充実、⑤意欲的な学生が受験する入試戦略の展開の5項目が掲げられました。
これらを具体的に遂行するための手段の一つとして平成20年度に、幅広い知識と深い研究経験のある退職教授を総長特命教授(教養教育)として配置し、研究中心大学として、初年次ばかりでなく大学院生も対象として教養教育を担う「教養教育院」が新設されました。さらに平成22年度に、教養教育担当教員のうち教養教育院を兼務する教養教育特任教員の制度が始まりました。 |
主な活動・取組
①基礎ゼミクラスの担当 「自ら探究する大学での学び」を目的に、初年次学生全員が受講できる学部横断型少人数科目(基礎ゼミ)が開講されています。総長特命教授はそれぞれ2クラス(各クラス20~25名)を担当し、グループによる課題研究・調査、図書館・インターネットによる情報収集、現場の見学、レポート作成、発表、討論を通じて学生たちが自ら答えが出せるように支援します。 |
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②全学教育(基幹科目・総合科目・語学教育)での新たな試み 初年次・2年次学生を対象にして行われる全学教育は、基幹科目(人間論、社会論、自然論)、展開科目(理科実験、カレントトピックス科目、総合科目等)、共通科目(基礎ゼミ、外国語科目、情報科目、保健体育科目)で構成されています。特命教授と教養教育特任教員は得意分野の科目を担当し、授業を活性化させるためのさまざまな試みを行っています。 |
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③教養教育への理解を深める 毎年、教養教育をテーマにしたセミナーや合同講義を企画し、「教養教育とは何か」について教員と学生が語り合います。学生たちが教養教育の中で自分自身の知性を高めることがいかに重要かを理解する場となっています。また教員たちにとっては教養教育を考え深化させるよい機会となっています。 |
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④『教養教育院叢書』の発行 特別セミナーや合同講義でとりあげた成果を編集し直し、より深く掘り下げた考察や視点を変えた論考を集めたテーマ別の論文集とし、教養教育充実のためにシリーズ化した叢書を出版しています。 |
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⑤小冊子『読書の年輪』の発行 初年次学生が「大学での学び」を始める上で一つのガイドブックとなる『読書の年輪~研究と講義への案内』を毎年刊行しています。教養教育院特命教授が、自らの教育・研究活動の経験を基に、大学での学びや生活に役立つ本を各自が6冊選び、内容を紹介するものです。 ⑥教養教育への提言 |
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